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「オリンピック憲章」に基づく東京都の条例案(ヘイトスピーチ対策含む)へのパブリックコメントへのご協力のお願い(6月30日まで)

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概要

 2016年6月3日に「ヘイトスピーチ解消法」が施行されました。しかし、現在も全国各地でヘイトスピーチ(差別扇動)を伴うデモや街頭宣伝が続いています。東京都では、ヘイトスピーチを伴うデモや街頭宣伝が、今も毎週のように行われており、その数は全国の都道府県の中で最も多いと言えるでしょう。

【閲覧注意】[動画]現在も続く街頭でのヘイト(差別扇動)スピーチ、ジェノサイド(大量虐殺)スピーチ

 2020年に東京オリンピックを控え、東京都では「オリンピック憲章」に基づいた条例の制定を行う予定です。

オリンピズムの根本原則

  2. オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである。

 4. スポーツをすることは人権の1つである。すべての個人はいかなる種類の差別も受けることなく、オリンピック精神に基づき、スポーツをする機会を与えられなければならない。オリンピック精神においては、友情、連帯、フェアプレーの精神とともに相互理解が求められる。

 6. このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会のルーツ、財産、出自やその他の身分などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない。

 その条例案のパブリックコメントが現在募集されています(6月30日まで)。

東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例(仮称)の概要の公表及び意見募集について

東京都オリンピック憲章にうたわれる 人権尊重の理念実現のための条例(仮称) 条例案概要 (PDF)

東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例(仮称)のポイントについて

 いまも続く、ヘイトスピーチを伴うデモや街頭宣伝、そして差別をなくすために、条例案を実効性のあるより良いものとするために、ぜひパブリックコメントを送ってください。

 移住連(移住者と連帯する全国ネットワーク)が、昨日に送付したパブリックコメントを、サイト上で公開しています。

【パブコメ】東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例(仮称)に関して意見を提出しました(6/29)

 人種差別撤廃条約にもとづくものにすること、相談受付体制の整備、被害救済システムの構築、警告や罰則を含めた具体的な措置など、多岐にわたり問題点の指摘を行っており、パブリックコメントを送付する上でとても参考になります。

 そして東京弁護士会が、6月8日に「人種差別撤廃モデル条例案」とともに意見書を公開しています。

人種差別撤廃モデル条例案(東京弁護士会)

地方公共団体に人種差別撤廃条例の制定を求め、人種差別撤廃モデル条例案を提案することに関する意見書(東京弁護士会)

 東京弁護士会が公表した「人種差別撤廃モデル条例案」は、大変優れた条例案なので、東京都には条例案の作成にあたり、ぜひとも参考にして取り入れていただきたいです。

 それから、条例案では「多様な性の理解の推進」として、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)に関する項目もあります。この部分の条例案について、fair(一般社団法人)が問題点を指摘していますので、参考にされると宜しいかと思います。

#東京都LGBT条例 を「LGBTフレンドリーな東京」というアピールで終わらせないために

 このほか、「問題点について」として、ここだけは指摘していただきたい点を書いています。こちらも参考にしていただければ幸いです。

 ご協力をよろしくお願いいたします。

応募方法

 「意見募集について」のページに、応募方法の詳細が掲載されています。

東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例(仮称)の概要の公表及び意見募集について

(2)応募方法

ア 郵送
〒163-8001 ※郵便番号を記載すれば住所不要
「東京都総務局人権部企画課 意見募集担当」宛てに別紙「意見提出用紙(PDF形式(PDF:66KB))」をお送りください。

イ ファクス
03-5388-1266宛てに別紙「意見提出用紙(PDF形式(PDF:66KB))」をお送りください。

ウ Eメール
ikenboshu-jinken(at)section.metro.tokyo.jp

※ 件名は「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例(仮称)の概要への意見」としてください。
※ 迷惑メール対策のため、メールアドレスの表記を変更しております。お手数ですが、(at)を@に置き換えてご利用ください。
※ メール本文に以下の事項を記入の上、提出してください。

氏名(名称)及び住所(所在地)
該当箇所・意見内容・理由
(添付ファイル(別紙「意見提出用紙」)による意見の提出は御遠慮ください。データファイル等を添付された場合、情報セキュリティの都合上、開封いたしません。)

(3)意見の提出に当たっての留意事項
氏名又は名称、住所又は所在地は必ず明記願います。
電話、職員との面会など、(2)に記載の方法以外による意見の受付はいたしません。
Eメールアドレス、ファクス番号等はお間違いのないようにお願いします。
意見に対して個別回答はいたしませんので、あらかじめ御承知おきください。

(4)提出された意見の公表
提出された意見は、公表させていただく場合があります。非公表を希望の場合は、その旨を必ず御記入ください。
公表に当たり、提出された意見を要約する場合がありますので、あらかじめ御承知おきください。
法人・団体にあっては名称や属性に関する情報等を公表する場合があります。名称について非公表を希望の場合は、その旨を必ず御記入ください。
個人の方については、氏名や住所を公表することはありません。

問題点について

 この条例案には不十分な点があります。

 そのなかで最も問題なのが、条例案概要の5ページ、「3 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進」の「(2)都が保有する公の施設の利用制限」の項目です。

(2)都が保有する公の施設の利用制限

公の施設において不当な差別的言動が行われることを防止するための基準(※)を策定

※以下2つの両方を満たすことを要件

1 不当な差別的言動が行われる蓋然性が高いこと

2 不当な差別的言動が行われることで、公の施設の安全を確保できない危険性が高いことが客観的かつ明白に明らかであること

 ここで「以下2つの両方を満たすことを要件」としています。しかし、この2の「不当な差別的言動が行われることで、公の施設の安全を確保できない危険性が高いことが客観的かつ明白に明らかであること」という要件は、この「公の施設の利用制限」の実施を、ほぼ事実上、不可能にしてしまうでしょう。

 直近の例として、川崎市のガイドラインにも同様の要件がありますが、ガイドラインが適用されませんでした。

川崎市「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律に基づく「公の施設」利用許可に関するガイドライン」

イ 「不許可」「許可の取消し」の要件

利用制限のうち、「不許可」「許可の取消し」については「当該施設利用において、不当な差別的言動の行われるおそれが客観的な事実に照らして具体的に認められる場合(言動要件)」であり、かつ「その者等に施設を利用させると他の利用者に著しく迷惑を及ぼす危険のあることが客観的な事実に照らして明白な場合(迷惑要件)」と判断されるときに限って行うことができることとする。

 〈時代の正体〉「迷惑要件は不要」川崎市議会でガイドライン問題点指摘

 川崎市議の片柳進氏の発言を引用します。

 

「(ハードルの高い)迷惑要件がある以上、事実上ほぼすべての場合で許可されてしまう。差別的言動に当たれば法律違反として対応するのが当然。不要な迷惑要件の在り方について検証を要望する」

 川崎市のガイドラインの迷惑要件は、東京都の同様の要件よりも、基準が緩いものになっていると思います。しかし、それであっても、ガイドラインは適用されませんでした。

 当日、川崎市の集会が開かれる予定だった会場内では、参加者がヘイトスピーチをしていたことが確認されています。

〈時代の正体〉ガイドライン運用「課題を検証」ヘイト講演会中止を受け川崎市長

 東京都の条例案でも同様に、「不当な差別的言動が行われる蓋然性が高いこと」が明らかであっても、「不当な差別的言動が行われることで、公の施設の安全を確保できない危険性が高いことが客観的かつ明白に明らかであること」が認められなければ、都の施設が貸し出されてしまいます。

 京都府のガイドラインでは、このいわゆる「迷惑要件」にあたる項目もありますが、「いずれかに該当する場合」としているため、適切に運用される可能性が高いものとなっています。

「京都府公の施設等におけるヘイトスピーチ防止のための使用手続に関するガイドライン」

(2) 使用制限の要件

(1)の使用制限の考え方に鑑み、次のア又はイのいずれかに該当する場合

ア 「不当な差別的言動」が行われることが、客観的な事実に照らし、具体的に明らかに予測される場合

イ 「不当な差別的言動」が行われる蓋然性が高いことによる紛争のおそれがあり、施設の管理上支障が生じるとの事態が、客観的な事実に照らし、具体的に明らかに予測され、警察の警備等によってもなお混乱を防止できないことが見込まれるなど特別な事情がある場合

 東京都は、この「迷惑要件」に該当する項目を外し、実効性のある条例にしなければ、「都が保有する公の施設の利用制限」の項目は、名目だけでほぼ意味のないものとなってしまいます。最低限、京都府のように「いずれかに該当する場合」として、適切に運用されるような条例にする責任があります。

 その他の項目については、概要の繰り返しになりますが、もう1度、下に掲載しておきます。

 移住連(移住者と連帯する全国ネットワーク)が、昨日に送付したパブリックコメントを、サイト上で公開しています。

【パブコメ】東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例(仮称)に関して意見を提出しました(6/29)

 人種差別撤廃条約にもとづくものにすること、相談受付体制の整備、被害救済システムの構築、警告や罰則を含めた具体的な措置など、多岐にわたり問題点の指摘を行っており、パブリックコメントを送付する上でとても参考になります。

 そして東京弁護士会が、6月8日に「人種差別撤廃モデル条例案」とともに意見書を公開しています。

人種差別撤廃モデル条例案(東京弁護士会)

地方公共団体に人種差別撤廃条例の制定を求め、人種差別撤廃モデル条例案を提案することに関する意見書(東京弁護士会)

 東京弁護士会が公表した「人種差別撤廃モデル条例案」は、大変優れた条例案なので、東京都には条例案の作成にあたり、ぜひとも参考にして取り入れていただきたいです。

 それから、条例案では「多様な性の理解の推進」として、セクシュアル・マイノリティ(性的少数者)に関する項目もあります。この部分の条例案について、fair(一般社団法人)が問題点を指摘していますので、参考にされると宜しいかと思います。

#東京都LGBT条例 を「LGBTフレンドリーな東京」というアピールで終わらせないために

 本日、6月30日までとなっていますので、ほとんど時間のないなか大変恐縮なのですが、ぜひご意見を送っていただければ幸いです。ご協力を宜しくお願いいたします。

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