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新宿区での自公(区長)によるデモ規制と伊藤陽平区議のヘイトスピーチ対応の問題について -日本第一党の九十九晃と堀切笹美が主催のヘイトスピーチ・デモと暴行事件-

投稿日:2018年6月27日 更新日:

はじめに

 2018年6月14日、新宿区議の伊藤陽平氏が、
日本第一党堀切笹美氏(責任者)のデモで逮捕者。新宿区議選への影響は?騒音が迷惑と新宿区で規制の議論も
というタイトルのブログを書いています。

 主に触れているのは、次の2点です。

1、 6月10日(日)にチャイナタウンがある池袋で行われた中国人を排斥するヘイトスピーチ・デモ(伊藤洋平氏は「保守系のデモ」と記載)について

2、 新宿区議会の本定例会で自民・公明議員から、デモの出発点としての公園利用のあり方について代表質問が行われた事について

 この2点について、それぞれ検討していきます。

 2については、事態が急速に展開しているので、概要と結論だけ先に記しておきます。

 6月12日、13日の新宿区議会・定例会で、自民・公明から、デモの集合場所・出発地としての公園利用について、質問が行われています。騒音等による理由から公園のデモ利用の制限を求める要望が町会や商店会から出されているとして、区長は利用基準の見直しを行う答弁をしました。

 しかし区が実際に問題としているのは、ヘイトスピーチ・デモである事が報道されています。

新宿区、公園のデモ使用を制限へ 理由は「ヘイト対策」

 区は「外国人差別などのヘイトスピーチが相次ぎ、住民の生活環境を守るため」と説明するが、識者からは「憲法が保障する表現の自由を侵しかねない」との指摘があがる。

 吉住健一区長は「商店街や学校に近い場所で人権侵害の発言が横行する状況を放置できない。実効性のある方法として決めた」と説明。

 6月27日に開催した環境建設委員会の映像を記録された方が、動画を公開しています。

委員会名簿

 表向きは騒音対策としていますが、実際にはヘイトスピーチ・デモへの対策である事は明らかです。騒音や交通問題の最大の要因は、ヘイトスピーチ・デモにあるからです。騒音や交通等への対策としてであれば、ヘイトスピーチ・デモに対し、ガイドラインや条例を制定して対処する事が最も有効で、表現の自由も守られます。デモ集合場所としての公園利用そのものを制限する事は、憲法が保障する表現の自由の侵害であり、ヘイトスピーチ対策と言えるものではありません。デモ出発地として利用制限しても、ヘイトスピーチ・デモの終着地として利用する事は可能です。求められているのは、差別やヘイトスピーチへの対策で、すべてのデモを対象にデモの出発地を制限する事ではありません。

 6月8日に東京弁護士会から、人種差別撤廃モデル条例案が公表されています。とても優れた条例案になっており、差別を含むヘイトスピーチ対策は、このような条例案を参考にして行われるべきです。まともな議論もなく一方的に行政判断で、デモ全体を対象にした横暴な規制に断固反対します。

地方公共団体に人種差別撤廃条例の制定を求め、人種差別撤廃モデル条例案を提案することに関する意見書(東京弁護士会)

チャイナタウンのある池袋で中国人を対象に「池袋奪還」と称して行われた、中国人排斥(ヘイトスピーチ)デモについて

 当日のヘイトスピーチ(差別扇動)・デモの詳細は、

【記録】2018年6月10日、中国人排斥(ヘイトスピーチ)デモ@池袋 19歳の主催が暴行容疑で現行犯逮捕

を参照してください。ヘイトスピーチに該当する、コール、横断幕、旗、プラカード、参加者発言などを記録しています。

 ※一部、ヘイトスピーチ・デモを記録した上のリンク記事と重複する部分がありますが、ご容赦ください。

 チャイナタウンのある池袋で中国人を対象に「池袋奪還」と称して行われた、中国人排斥(ヘイトスピーチ)デモにおいて、19歳の主催が暴行容疑で現行犯逮捕されています。

 この事について伊藤洋平区議は、主催団体サイトの説明を引用し、下のように書いています。

特に謝罪は見当たりませんので、九十九晃さんが何も悪いことをしていない可能性もあります。

 この事件はニュースになり、その記事はネットでも閲覧できます。

排斥デモ抗議者に暴行=容疑で男子大生逮捕-警視庁:時事ドットコム

東京・池袋の路上で中国人の排斥を訴えるデモに抗議した男性を突き飛ばしたとして、警視庁公安部などは11日までに、暴行容疑で、デモに参加していた右派系市民活動家の男子大学生(19)=東京都江東区=を現行犯逮捕した。

右派系団体の大学生逮捕 ヘイト抗議の男性に暴行した疑い

右派系市民団体「行動する保守運動」に所属し、同日は40人規模のデモに参加、「中国人を日本からたたき出せ」などと声を上げていた。

 ツイッターにも、事件時の様子がわかる動画が投稿されています。

https://twitter.com/honda_ape_cb/status/1006059193747496965

 九十九晃(主催者)氏のプロフィールでは、自らを「極右政治運動家」と名乗っています。 
http://twpf.jp/ttizumo

 伊藤氏はその後、ツイッターに投稿されている動画を確認し

「動画から手が伸びている様子を確認しました。私にも突き飛ばしたように見えます。」

と言及するツイートをしていますが、ブログの記載はそのままとなっています。

 主催側のヘイトスピーチを含む説明文を注釈なくそのまま引用し、「ヘイトスピーチ解消法」施行後も、差別デマを伴うヘイトスピーチ・デモや街宣を繰り返し、深刻な人権侵害を引き起こしている極右グループの説明を、何ら疑う事なく信じてしまう人物が区議であるという事実に愕然としています。

 そもそも、ヘイトスピーチ・デモを行っている事は、「悪い」事ではないのでしょうか。暴行をしていないのであれば、「何も悪いことをしていない」事になるのでしょうか。

 ヘイトスピーチ・デモで逮捕者が出なくても、ヘイトスピーチによる「被害者」は明確に存在し、その深刻な被害が回復される事はありません。そして現在もヘイトスピーチを繰り返している人々が、反省し謝罪をした事は只の1度もありません。この事は、繰り返し明記しておかなければならない事実です。

 今回、暴行容疑で現行犯逮捕された九十九晃氏(偽名)はこれまでも、ヘイトデモや街宣に反対する市民に対し、突進してくる危険な行為を繰り返してきていました。この事は映像でも文字記録でも確認できます。

 そのため、このような暴行事件がいつ起こってもおかしくなく、暴行以上の傷害事件になっていた可能性も充分にありました。当日は雨も降っており、かなり危険な状況だったと聞いています。

 そして九十九氏は、テロであり差別的動機に基づく犯罪、すなわちヘイト・クライムである朝鮮総連銃撃事件を「義挙」として、称賛しています。

朝鮮総連本部に発砲=右翼活動家ら2人逮捕-警視庁

 九十九氏が、2018年1月に江東区主催の師岡康子弁護士(『ヘイト・スピーチとは何か』の著者)の講演会に「潜入」(九十九氏自身の記述)した際は、講演終了後にネット中継しながら30分近く、退出した師岡弁護士を探し回っていました。その様子はストーカーに近いものがあり、映像を見た時に恐怖を感じた事を覚えています。

 6月10日に現行犯逮捕された九十九晃が、11日の長い勾留ののち、6月21日に保釈されました。

 そして、ブログに今回の暴行事件について書いています。

池袋奪還国民大行進のご報告!しばき隊の妨害を跳ね除けろ!

支那人はずる賢く、凶暴で、凶悪である。これは何も妄想でもないし、妄言でない。事実にほかならない。

 冒頭の一文から、中国人に対して、とても酷いヘイトスピーチを書いています。ヘイトスピーチ・デモを行った事への反省は皆無です。

本件について主催者として逮捕される行動を行った事については反省しております。

然し、しばき隊をしばいた事に対して一切の後悔はありません。

又ニュース等では私が参加者であると報道されてましたが、私は参加者ではなく主催者です。後、容疑を一部否認した事になっておりますが、私は公安条例に基づき集団示威行動の主催者として名前を連ねておりました。それに対して、妨害を予告し、私達に対して牙を剥く者がいたので、警察に代わり実力行使で排除したまでの話です。勢い余って突き飛ばして何が悪いのでしょう。

これは供述調書や、検察調べ、家裁の調査官、裁判官に対して一貫、同じことを訴えさせていただきました。

 同様に、暴行事件への反省も皆無です。 

 そしてこのブログの内容は投稿後に修正されていて、修正前には本音が書かれていました。下の画像は、投稿が修正される前のスクリーンショットです。

 

本当は首根っこを掴んで、車道に引き摺り出すつもりでした。

 投稿後に、上の一文を外し内容を修正しています。

 九十九晃は、6月27日のツイキャスライブ(ネット生放送)で、以前にブログでも書いていた「排害主義」の正しさを力説しています。

 とても酷いヘイトスピーチですが、書き起こして引用します。

・九十九晃 ツイキャスライブ 2018年6月27日 06:55~
https://twitcasting.tv/ttizumo/movie/470462788

凶暴で凶悪でずる賢いシナ人というのをね。
我が国日本を、日本人の制度を脅かす、外来生物の駆除・排除については、これからもしっかりと取り組んでいこうかなと思っております。

いや、言うんですよ、なんか。シナ人いうな。凶暴じゃないと。中国人だって良い中国人、いるじゃないかって。

そりゃあね、個人単位でみりゃ、1人や2人、良い人はいるかもしれないですよ。
10人、シナ人がいたら、6人危なくて、4人、良い人かもしれないし。
だからなんだって問題でして。

そしてその池袋でも、その不良シナ人が多い溜まり場があると。チャイナタウンになっている。その池袋を日本人の手に取り戻すべきである。

 このように全く反省のない本人も問題ですが、周りの大人たちにも問題があります。

私が逮捕された時、弁護士を通じて真っ先に私を引き受けてくれると言ってくれた鈴木代表。

 ここに書かれている「鈴木代表」とは、葛飾区議で日本国民党代表の鈴木信行氏の事です。九十九晃氏は、鈴木信行氏が葛飾区議選に立候補した際、選挙スタッフをしていました。鈴木信行氏は葛飾区議として、このヘイトスピーチ・デモについて、どう考えているのかを明らかにする責任があります。そして、九十九晃氏が起こした暴行事件と反省皆無の態度についても、区議としての自らの考えを述べる責任があります。

 ヘイトスピーチ・デモと暴力は、ほぼ常にと言っていいほど隣り合わせにあります。昨年11月19日に新宿で、日本第一党の桜井誠が企画したヘイトスピーチ・デモの終着地点の公園近くで、のちに朝鮮総連銃撃事件を起こした桂田智司を中心とする右翼団体がカウンターに襲い掛かり、体当たりされ転倒し怪我をしています。これ以降、ヘイトスピーチ・デモが行われている横の歩道上で、毎回のように右翼団体が襲い掛かってきています。この間、ヘイトスピーチ・デモの参加者や右翼団体から暴行された人は多数に上っていますが、残念ながらその多くが事件化されていません。

【傷害事件】

2017年11月19日 新宿ヘイトデモ 桜井誠(日本第一党党首)企画 行動する保守運動(日本第一党)

右派系デモ抗議の会社員に暴行 傷害容疑で右翼団体メンバー逮捕 警視庁

【暴行事件】

2018年5月27日 銀座ヘイトデモ 桜井誠(日本第一党党首)企画 行動する保守運動(日本第一党)

反北朝鮮デモ抗議者に暴行=容疑で右翼構成員逮捕-警視庁

右翼団体の男“反北デモ抗議”男性に暴行か

「私は公安条例に基づき」と九十九晃氏は書いていますが、日本には刑法があるため暴行事件の容疑者として、現行犯逮捕されたのです。そして「ヘイトスピーチ解消法」を守ることなく、ヘイトスピーチを行っているから反対されるのです。当たり前の話です。

 豊島区は、公園をヘイトスピーチ・デモの集合場所として利用する申請が行われた時に、「ヘイトスピーチ解消法」の説明をしていないのでしょうか。公的機関が、このような非常に悪質極まりないヘイトスピーチ・デモに公的施設の利用を許しているのであれば早急に、理念法に留まっている「ヘイトスピーチ解消法」を実効性のある法律に改正するか、新たに法律を作らなければなりません。「ヘイトスピーチ解消法」の元でも、ヘイトスピーチ・デモの集合場所としての公的施設の利用を、ガイドラインや条例で制限できるのであれば、いますぐ策定する必要があります。

 今回のデモの主催は「行動する保守運動」ですが、実質は「日本第一党」(代表:桜井誠)の主要メンバーにより開催された、ヘイトスピーチ・デモでした。九十九晃氏は代表世話人、堀切笹美氏は現場責任者となっています。どちらの人物も日本第一党に所属しています。日本第一党の公式ツイッターでも告知が行われています。日本第一党は、「在特会」会長をやめた桜井誠氏が立ち上げた団体で、元「在特会」の主要メンバーが多数参加しています。

 堀切氏は、次回の新宿区の区議選に立候補すると目されていますが、元「在特会」幹部で、当時からヘイトスピーチ・デモの責任者などをしており、元「在特会」会長の桜井誠氏が代表の「日本第一党」に移ってからも同様に、主体的関与を続けています。下のリンク及び画像は、堀切氏が中心的に関与したヘイトスピーチ・デモの一覧です。2013年3月17日には、
「春のザイトク祭り 不逞鮮人追放キャンペーン デモ行進 in 新大久保」
という大久保公園発のヘイトスピーチ・デモの現場責任者として、桜井誠氏と共に堀切笹美氏が名を連ねています。その後も、新宿区を含む都内各地で、現在もヘイトスピーチ・デモを繰り返しています。

【閲覧注意】

http://www.koudouhosyu.info/skantou/scheduler.cgi?mode=search&word=%E5%A0%80%E5%88%87%E7%AC%B9%E7%BE%8E&cond=and

 そして言うまでもありませんが、「在特会」のいう「在日特権」などは存在しません。

「特別永住資格」を「特権」というウソ -「在日特権」というデマ

 日本第一党の桜井誠氏は、2009年に京都朝鮮学校襲撃事件を起こした「在特会」の元会長です。刑事裁判では関係者に有罪判決、民事で約1200万円の賠償判決が出されています。しかし桜井誠氏はじめ、日本第一党関係者は、今もこの事件について全く反省していません。

ヘイトスピーチ、在特会の損賠責任認める 最高裁

 2008年~2011年の「在特会」会長時代に行った、朝鮮大学校への脅迫を伴うヘイトスピーチに対しても、2015年に法務省から勧告が出されましたが、その勧告書を破り捨てています。

「ヘイトスピーチ中止を」法務省が初勧告、在特会前代表の桜井誠氏に

法務省勧告をめぐる桜井誠の発言と勧告書を破り捨てる様子(2015/12/24)

 2016年に都知事選に出た際の会見でも、「私はこれまでヘイトスピーチを用いた活動などしていない」とウソをつき、その会見の中でヘイトスピーチを行っています。

【速報・無料記事】桜井誠(元・在特会会長)都知事選出馬会見詳報 安田浩一

「私はこれまでヘイトスピーチを用いた活動などしていない」

「在日韓国人が出て行けば解決する問題」

 公的立場にある議員がヘイトスピーチを行った場合、関係する議会や議員は何をすべきでしょうか。

 答えは1つです。

 それは、議員辞職をするよう勧告決議を行う事です。

 そして、ヘイトスピーチ・デモや街頭宣伝が行われた場合、2度と差別やヘイトスピーチが行われないよう、公的立場にある者が率先して、強く批判・非難する声明を出し、対策を講じなければなりません。

奈良県安堵町の増井敬史町議がFacebookで首相経験者らを誹謗 「股裂きの刑」「ポアして」 アカウント停止、議会も処分検討

奈良県安堵町の増井敬史(けいじ)町議(59)が、Facebookで特定の国会議員を在日コリアンと決めつけて「股裂きの刑にしてやりたい」などと投稿していたことが1月24日明らかになった。

増井氏は投稿をすでに削除したが、町議会や町役場に抗議のメールなどが寄せられたという。議会は増井氏の処分を検討している。

「股裂き刑にしたい」ヘイト投稿の町議、辞職

増井氏の書き込みに対して町に抗議のメールが寄せられ、町議会は対応を話し合う全員協議会を26日に開く予定だった。

〈時代の正体〉また差別落書き「大変強い憤り」市長非難声明

福田市長「6月6日から発生している度重なる落書き被害について、こうした行為が引き続き行われていることに大変強い憤りを感じている」「落書き被害の撲滅に向け、パトロールを強化し、警察とも連携しながら取り組みを進めたい」

市内の在日コリアン「あれは落書きではなく絶望。壊されているのはベンチではなく私たちの心。一件一件、市民の心が殺されている。被害を食い止めるため、差別を非難する声明を直ちに出してほしい」

〈時代の正体〉「差別落書きは人権侵害」川崎市が非難メッセージ

川崎市内の公園などで在日コリアンを差別する落書きが大量に行われている問題で、市は25日、「差別的な落書きは人権侵害です」と警告する啓発メッセージの発信を始めた。

米南部の極右集会に抗議、1人死亡 州知事は白人至上主義者に「帰れ」

マイケル・シグナー市長は、極右行進を「憎悪と偏見と人種差別と非寛容の行進」と非難し、死者が出たことに「打ちのめされている」と述べた。さらに,、「我々はマッカーシー主義も乗り越えた。人種隔離政策も乗り越えた。そして今回のこれも乗り越える」と表明した。またバージニアに、白人至上主義団体クークラックスクラン(KKK)を連想させる燃えるたいまつを持ち込む者たちは「歴史のごみためがふさわしい」と非難した。

しかし大統領が「色々な側」の憎悪と暴力という表現を使い、白人至上主義者と特定しなかったことについて、民主党だけでなく共和党議員からも疑問視する声が上がっている。

コーリー・ガードナー上院議員(共和党、コロラド州選出)は、「大統領、悪は名指ししなくてはなりません。連中は白人至上主義者で、これは国内テロリズムでした」とツイートした。

ドイツ、ヘイトスピーチ取締法を施行へ SNS企業に削除義務

英国では複数の政治家がソーシャルメディア各社について、ヘイトスピーチなどの不快な内容を「恥ずかしいくらい全く」管理できていない、「とんでもない」と厳しく批判している。

欧州委員会もソーシャルメディアに対し、ヘイト(憎悪)を含む内容を素早く削除するよう求める指針を発表している。

アニメ化決定のラノベ、出荷停止 原作者が差別ツイート

アニメ化が決まっていたライトノベル「二度目の人生を異世界で」の原作者が、中国や韓国に対する差別的な発言をしたとして、出版元のホビージャパンは6日、これまでに刊行された計18巻を出荷停止にすることを決めた。アニメの公式サイトも、放送及び制作の中止を発表した。

反人種差別で団結を

UEFA事務局長「それゆえ、我々は人種主義に反対し、これを絶対に許さない運動における方針を強化した。また、規律違反を厳罰化した。我々の措置は、言葉より大きくものを言うことになると強く確信している」

米人気コメディーの主演が人種差別ツイート、ABCは番組打ち切り

「米ABCテレビは29日、主演女優による人種差別ツイートを理由に、高視聴率の人気コメディー番組を打ち切ると発表した。」

「ジャレット氏によると、ABCの親会社ディズニーのロバート・アイガー最高経営責任者(CEO)が電話で謝罪し、バー氏のツイートは「まったく容認しない」と言明したという。」

「ABCによる番組打ち切りに続き、芸能事務所ICMパートナーズはバー氏との代理契約を取りやめた。」

ハーバード大学、「Facebookで差別的発言」した10人の入学許可取り消す

 民間でも、差別やヘイトスピーチを決して許さず、厳しい処分が行われています。公的立場にある者が同様の行為をした場合、より重い責任が問われるのは当然の事です。

 差別を目的とした行為(考え)であるにも関わらず、そこに目を塞ぎ、是々非々と言いながら非を批判する事もほとんどせず、一見最もらしい理屈を疑う事なく信じて協力するのであれば、それは差別への加担にほかなりません。

 差別やヘイトスピーチをしている者に対し、是々非々で望む事はあり得ません。今まで彼らがどれほどの悪意を撒き散らし、差別や偏見を扇動してきたのか。その事を全く反省せず謝罪もせず責任も取らずに、今度は政治の名を借りて、公的に差別と差別の扇動を続けようとしています。

 議員として公的な立場から、明確に差別に反対し、差別とヘイトスピーチをなくす政策を実現する事で、社会的責任を果たしていただきますよう心より願っています。

新宿区での自公によるデモ規制について

 伊藤陽平区議のブログから引用します。

自民さんと公明さんの代表質問で、
「デモの出発点として新宿区立の公園が利用されている。子どもなどが利用できなくなることや、騒音等により町会や商店会からも苦情が出ているため対応が必要では。」
という趣旨で、問題提起がありました。
自公さんそれぞれから代表質問があったことは非常に重いことで、新宿区の公園で何かしらの対応が行われることになる可能性は高いです。

 6月12日、13日に開かれた定例会での自民、公明による区長への質疑内容は、最下部に参考資料として載せています。

 

確かに保守系のデモで逮捕者が出てしまったことは残念でもあります。

 第1項で記したように、6月10日に池袋で日本第一党の党員が主催したデモは「保守系」のデモではなく、極右グループによる非常に悪質なヘイトスピーチ(差別扇動)・デモでした。「保守系」=「極右系」という事なら、特に異議はありません。

多くの人が集まることで公園の利用ができなくなったり、騒音や交通にも影響を与えることで、デモに対してネガティブな感情を抱かれる方がいらっしゃることは理解しています。
しかし、問題になるのはごく一部の方で、保守リベラル問わずに、一定の要件のもとでデモを行う自由は必要だと考えています。

 ここ新宿区で特に問題とすべきは、「ヘイトスピーチ解消法」ができても、それを一切守らずに、ヘイトスピーチ・デモや街宣を行っている極右グループです。ヘイトスピーチ・デモにより、問題が生じているのは明らかです。勿論「ヘイトスピーチ解消法」があろうとなかろうと、差別やヘイトスピーチをしてはいけないのは言うまでもありません。そして新宿区では、都内で最も多くのヘイトスピーチ・デモや街頭宣伝が行われています。都内で最も行われているという事は、日本で最もヘイトスピーチ・デモや街頭宣伝が行われている自治体という事になります。その新宿区の区議として、伊藤陽平氏はこれまで何をされてきたのでしょうか。

新宿区内には、デモの出発地点としての要件を満たす公園は4園しかありませんが、今ある公園に関しては守っていきたいです。

 この点に関しては同意です。

デモを主催する側にも、地域の理解を得る努力は必要です。
右や左を問わず、政治活動に対して「怖い」「迷惑」という印象をつけてしまうことは、政策実現の上でもマイナスです。
政策の実現には合意形成が不可欠で、有権者の理解や議会での調整が必要だからです。

あくまでマナーを守っている方が大半で、政治活動のイメージを悪くしているのは一部の方だと思います。
デモの内容についても、ヘイトスピーチと思われないように努力をしたり、対話を中心としたクリーンなブランディング等を配慮をすることで、地域の理解も深まります。

 まずマナーを守る以前の問題として、法律を守らず、差別を扇動し暴力を厭わない人たち(極右グループ)が、ヘイトスピーチ・デモや街頭宣伝を行っているという現状があります。その問題となっているヘイトスピーチ・デモに対し、反対をする際には、お店や住民、通行人の方々へ一定の配慮をしています。ですが不十分な点もあると思います。その点では、町会や商店会、周辺のお店や住民の方々に説明する機会をつくり、「地域の理解を得る努力」をする必要もあると考えています。

新宿区議会では、安全保障等の国政で議論を行われているテーマについては触れませんが、保守やリベラルにとらわれる区政として取り組むべき課題に、必要に応じて政策実現につなげていくことが大切だと考えています。

実際に私のところにも、
「外国人により財政的な負担がかかっているのは、将来世代にも影響を与えるのでは。」
というご意見が届いたこともあります。
国民健康保険や生活保護は国の法律も関わることですが、地方からも財政的なテーマとしてさらなる議論が必要です。
もし、堀切笹美さん、日本第一党さんと新宿区議会等でご一緒する機会があれば、区民の利益につながるよう、是々非々で対話を行なってまいります。

 そもそも「外国人により財政的な負担がかかっている」として、「外国人」のみに責任があるとする「意見」は「偏見」ではないと言えるのでしょうか。日本第一党を含め、これまでヘイトスピーチ・デモや街宣などを行ってきた極右グループは、税金や保険料などを払っているのは日本人だけのように言い立て、外国人を社会保障から「排除」するよう訴えてきました。日本第一党は、外国人への生活保護停止と移民の即時受け入れ中止を掲げています。

 当然ですが、外国人も社会保障を受ける権利があります。そして、外国人も日本人と同様に税金を納め、共に暮らしています。保険料を払っているのも「日本国民」だけではありません。

 日本は国際人権規約である社会権規約を1979年に批准しています。

経済的、社会的及び文化的権利に 関する国際規約(A規約)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/2b_004.html

第九条 この規約の締約国は、社会保険その他の社会保障についてのすべての者の権利を認める。

 
 難民条約にも1981年に加入しています。

難民の地位に関する条約 (抄)

第七条(相互主義の適用の免除)1 締約国は、難民に対し、この条約が一層有利な規定を設けている場合を除くほか、一般に外国人に対して与える待遇と同一の待遇を与える。

 日本政府は国際条約の批准・加入に際し、関連する法律の改正を行い国籍条項をなくしています。生活保護法も同様に法改正すべきところを、現在のままでも外国人への生活保護の実施に支障がないとして改正をしていません。そのため極右グループは、最高裁の判決で外国人への生活保護は憲法違反とされたという「デマ」を執拗に繰り返しています。

『貧困と生活保護(45) 在日外国人は保護を受けやすいという「デマ」』 読売新聞 2016年12月22日

「この判決の後、外国人への生活保護は憲法違反だからやめろと主張している人たちがいます。判決について誤解を招くような報道があったことも一因ですが、判決の内容を全く取り違えた主張です。最高裁は外国人の保護を否定したわけではなく、通知に基づく行政措置によって事実上の保護の対象となりうることは認めています。」

永住外国人生活保護訴訟最高裁判決を読む――あらわになった日本社会の姿 山口元一 / 弁護士

結果として、国民年金法や児童手当3法に規定されていた国籍条項は削除されたのに対して、生活保護法の改正は見送られたのだが、国会審議において、政府委員は以下のように答弁している(第94回国会法務委員会、外務委員会、社会労働委員会連合審査会会議録1号・1981年5月27日)。

「生活保護につきましては、昭和25年の制度発足以来、実質的に内外人同じ取り扱いで生活保護を実施いたしてきているわけでございます。去る国際人権規約、今回の難民条約、これにつきましても行政措置、予算上内国民と同様の待遇をいたしてきておるということで、条約批准に全く支障がないというふうに考えておる次第でございます」

「すでにもう昭和20年代に、外国人に対する生活保護の適用ということで明確に通知をいたしております。かつまた、予算も保護費ということで、国内の一般国民と同じ予算で保護費の中で処置をいたしておるわけで、特にそれを改める必要はないわけでございますが、こういった難民条約の批准等に絡めまして、一層その趣旨の徹底を図るという意味での通知、指導等はいたしたいと考えておるところでございます」

外国人と生活保護:現在の法と制度は? 現在に至るまでの経緯は?

つまり「現在の外国人の生活保護の扱いは、実際には日本人と同じなんだから条約に違反してません」「さらに生活保護で外国人と日本人が同じになるように、通達等で徹底して、条約違反にならないようにします」ということです。

前述のとおり、日本は「外国人に対しても、実質として日本人と同じように生活保護法を適用します」という約束のもと、国際人権規約と難民条約を締結しました。

 日本第一党は「移民受け入れ即時中止」も掲げていますが、現実を無視した排外主義でしかありません。日本社会はいま外国人労働者に支えられています。外国人労働者がいなければ、もはや日本の社会・経済は成り立ちません。しかし、現在行われている技能実習制度には多くの問題があり、人権侵害のない権利を十全に保障した移民政策が必要不可欠です。

日本、もはや外国人労働者にとってメリットない国に…見放されて産業が維持困難の危惧

なぜ“人手不足倒産”が増えているのか

新たな「外国人材の受入れ」制度の創設に関する会長声明

当連合会はかねてより、外国人技能実習制度について、開発途上地域等への技能等の移転による国際協力を推進するという制度理念とは乖離して、人手不足を解消する手段として用いられており、人権侵害が生じやすい構造的問題を有することから、同制度の廃止を求め、非熟練労働者の受入れが必要であれば、その是非、範囲などを、国会などの場で十分に検討して新たな制度を創設するよう提言してきた。

【意見】 「新たな外国人材の受入れ」に対する意見 -今こそ、包括的な移民政策を!-

外国人労働者の「受入れ」は、「人間」の「受入れ」である。移住者とその家族をはじめ日本社会に生きるすべての人々が主体的に議論し、移民政策を確立していくことが求められる。

 新宿区の人口は約34万5000人で、その約13%近くになる4万3000弱の人々が外国人です。国籍は中国が最も多く、次いで韓国になりますが、ネパール、ベトナム、ミャンマーなど多様な人々が暮らしています。新宿区では2015年に、「多文化共生実態調査」が行われています。

新宿区の人口

新宿区多文化共生実態調査(2015年度)

定住意向

定住意向は、「ずっと住み続けたい」(40.7%)が約4割で最も高く、「当分の間は住み続けたい」(27.5%)が2割台半ばを超える。これらを合わせた《定住意向》(68.2%)は7割近い。(P53)

日本人から外国人に対する偏見や差別【国籍別】

《ない》は、“ミャンマー”で7割弱と最も高く、次いで“その他のアジア”で約6割となっている。一方、「よくある」は、“北米”で3割台半ばを超えており、《ある》としてみると、“韓国・朝鮮”で5割台半ば近くと最も高く、次いで“タイ”で5割となっている。なお、“韓国・朝鮮”と“タイ”のほか、“ネパール”も《ある》の方が《ない》よりも高い。(P82)

多文化共生のまちづくり推進のために新宿区が進めるべきと思うこと

多文化共生のまちづくり推進のために区が進めるべきと思うことは、「日本人との交流会やイベント」(42.5%)が4割強で最も高く、次いで「外国人への偏見・差別をなくすための努力」(37.6%)が3割台半ばを超える。このほか、「子どもや留学生への支援」(35.2%)、「外国人と日本人による協働を増やす」(34.6%)、「日本の文化や生活情報を多言語で知らせる」(34.4%)、「日本語教室」(34.1%)が3割台半ば前後で並ぶ。(P128)

新宿区への期待

新宿区への期待としては、「日本人も外国人も共に認め合い、協力し合う暮らしやすいまち」(79.0%)が8割弱で最も高くなっている。次いで「日本文化と外国文化が融合し、新たな魅力を発信するまち」(52.2%)は5割強、「観光客が多く訪れるにぎわいのあるまち」(27.8%)は2割台半ばを超える。(P131)

偏見・差別をどのような場合に感じましたか。(○はいくつでも)

1 家を探すとき 51.9%
2 仕事のとき 33.2%
3 公的機関などの手続きのとき 25.6%
4 電車・バス等に乗っているとき 18.2%
5 法制度のこと 14.5%
5 その他 14.5%
7 社会保障制度のこと 11.9%
8 日本人の友人とのつき合いのとき 9.5%
9 学校などの教育の場 8.5%
10 近所の人とのつき合いのとき 7.8%
11 自分や家族が結婚するとき 3.3%
12 出産・育児の場面 1.9%
(無回答) 0.9%

(元データを降順に並び替えています)

また、「その他」(14.5%)が比較的高いことから、その内容を列挙してみると、主なものとして「お店や買い物で」、「会話の中で」、「警察官の対応」、「まちなかで」などがあげられている。(P15)

 伊藤陽平区議も、この調査を取り上げて記事を書いています。

外国人が直面する差別・偏見、その51%は「家を借りる時」。行政はGNT(グローバルトラストネットワークス)等と提携を

社会起業関連でも注目を集めているGTN(株式会社グローバルトラストネットワークス)では、外国人の家賃保証や、賃貸住宅保証などを通じて、外国人が日本に住めるように支援をしています。

新宿区ではまだ連携をしていないようですが、相談に来られた外国人の方にこちらのサービスを紹介することで、一定の問題解決につなげることはできるのではないでしょうか。

 上の記事では、外国人が家を借りられない差別に対して、外国人の賃貸住宅保証などを行う民間企業のサービスを紹介しています。しかし、それでは差別を行っている企業は、これまでと変わらないため根本的な解決にはなりません。

 法務省は、2017年6月に「外国人住民調査報告書」を出しています。新宿区が行った「多文化共生実態調査」に近いものですが、入居差別や就職差別などのほか、)外国人に対する差別的な表現として、ヘイトスピーチ・デモや街頭宣伝、インターネット上の差別表現の見聞等についても尋ねています。

ヘイトスピーチに焦点を当てた啓発活動

外国人住民調査報告書-訂正版-【PDF】

日本に住む外国人を排除するなどの差別的なデモ、街頭宣伝活動をしているのを、見たり、聞いたりした経験(調査票3-1)

日本に住む外国人を排除するなどの差別的なデモ、街頭宣伝活動をしているのを見たり、聞いたりした経験について、「よくある」、「たまにある」を合わせると、「直接みた」が 20.3%であり、「テレビ、新聞、雑誌等のメディアを通じて見聞きした」が 42.9%、「インターネットで見た」が 33.3%と、主にメディアで見たり聞いたりした経験者が多い。

次に、国・地域別に「見たり、聞いたりした時にどのように感じたか」を直接見たことがある人に聞いたところ、「不快に感じた」は、朝鮮(87.5%)、韓国(79.2%)、中国(74.7%)、ブラジル(74.1%)、ベトナム(72.7%)で 70%を超えており、さらにほとんどの国・地域で 50%以上となっている(100%となったネパールは回答者が 2 人と少数のため除外)。また、「日本人や日本社会に対する見方が悪くなった」とした人は、多くの国・地域で 30%を超えた。(P45-47)

 この調査対象に新宿区は含まれていませんが、もし含まれていたら、見聞きした経験のパーセンテージは、かなり高くなると思われます。

【外国人に対する差別や偏見をなくすために、国や地方公共団体には、どのような取組が必
要だと思いますか?(複数回答)】(P52)

1 外国人の文化や生活習慣の違いを認めてお互いを尊重することを積極的に啓発する 2591(60.9%)
2 日本人に、外国人の風習や習慣等を周知する 1564(36.8%)
3 日本人に、外国人の法的地位や権利、生活状況等について、正確な知識を伝える 1930(45.4%)
4 地域社会の活動に外国人の参加を促すなど外国人と日本人との交流の機会を増やす 2255(53.0%)
5 外国人が差別等を受けた際の相談体制を充実させる1642(38.6%)
6 外国人への差別を禁止する法律・条例の整備 1595(37.5%)
7 特別なことは必要ない 304 (7.1%)
8 分からない 268 (6.3%)
9 その他 275 (6.5%)
無回答 145 (3.4%)

 注目すべきは、「外国人への差別を禁止する法律・条例の整備」との回答が37.5%ある事です。この調査は「ヘイトスピーチ解消法」が施行されたのちに行われていて、比較的、高めの割合と言えるでしょう。残念な事に「新宿区多文化共生実態調査」には、類似の項目はありませんでした。

 「外国人住民調査報告書」の調査対象には、世田谷区が入っており、この調査報告書も踏まえて、差別を禁止する条例が作られています。

世田谷区多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例

 個人の尊厳を尊重し、年齢、性別、国籍、障害の有無等にかかわらず、多様性を認め合い、自分らしく暮らせる地域社会を築くことは、国境及び民族の違いを越えて私たち人類の目指すべき方向である。また、一人ひとりの違いを認め合うことが、多様な生き方を選択し、あらゆる活動に参画し、及び責任を分かち合うことができる社会の実現につながる。

 世田谷区は、こうした理念を区、区民及び事業者で共有し、一体となって男女共同参画及び多文化共生を推進することにより、多様性を認め合い、人権を尊重する地域社会を実現することを目指し、この条例を制定する。

第7条 何人も、性別等の違い又は国籍、民族等の異なる人々の文化的違いによる不当な差別的取扱いをすることにより、他人の権利利益を侵害してはならない。

2 何人も、公衆に表示する情報について、性別等の違い又は国籍、民族等の異なる人々の文化的違いによる不当な差別を助長することのないよう留意しなければならない。

第8条 男女共同参画・多文化共生施策は、次に掲げるものを基本とする。
⑽ 国籍、民族等の異なる人々の文化的違いによる偏見又は不当な差別の解消

第10条 男女共同参画・多文化共生施策を総合的かつ計画的に推進する上で必要な事項を調査審議するため、区長の附属機関として、世田谷区男女共同参画・多文化共生推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。

第11条 区民又は事業者は、男女共同参画・多文化共生施策に関する事項について、区長に対し苦情若しくは意見の申立て又は相談をすることができる。

世田谷区が差別禁止条例 LGBTと外国人に特化

国のヘイトスピーチ対策法は自治体の対策を義務付けており、これに対応する動きとして注目されている。

 成立したのは「多様性を認め合い男女共同参画と多文化共生を推進する条例」。

(1)性別、国籍、民族等の異なる人々の文化的違いによる不当な差別的取り扱いにより、他人の権利を侵害してはならない

(2)公衆に表示する情報について、差別を助長することのないよう留意する

――と定めている。

 苦情処理委は、ヘイトスピーチなどの差別行為が顕在化した際、区民から相談があれば、有識者が区の対応が適切かどうか判断し、区長に意見を伝える。

国籍・民族・LGBT差別の解消を明記、苦情処理委を設置へ 世田谷区で条例が成立

国籍・民族の違いを理由にした差別や、性的少数者(LGBT)への差別など、包括的な差別の解消を明記し、苦情処理を規定した東京都世田谷区の条例案が、3月2日の区議会定例会本会議で、賛成多数で可決、成立した。4月1日から施行される。

罰則はないが、苦情処理委員会を設け、区民の申し立てを受けて調査するのが大きな特色だ。区や専門家によると、国籍や民族による差別について苦情処理の仕組みを設けるのは「おそらく初めて」という。

性的少数者の権利擁護に取り組む中川重徳弁護士は「実質的な差別禁止規定であり、罰則がなくても社会の基本ルールを明示することに意味がある。性的指向や性自認による偏見や固定観念が根強く残る状況で、啓発の意味は非常に大きい」と話す。

区は、他自治体の苦情処理委の先行例から、対象を区の業務と想定している。ヘイトスピーチを伴うデモや集会などの施設使用の可否や、性的少数者が公共施設を利用する際の対応に不備がないかなどが該当するとみている。

ただ、差別的な落書きや、動画による名誉毀損、入居拒否や就職差別など、区の業務以外の苦情も、専門調査員が調査して改善要請するなどの対応を検討している。

NGO「外国人人権法連絡会」の運営委員で在日コリアンの金昌浩弁護士は「国籍や民族による差別の解消に踏み込み、苦情処理の仕組みを設けた条例は聞いたことがない。被害者が問題を訴える際の根拠になりうるもので、全国に広がってほしい」と話す。

〈時代の正体〉差別撤廃、先進施策に学ぶ 世田谷区議招き研修

  多文化共生を掲げる新宿区こそ、世田谷区が制定したような条例を率先して作るべきです。

 法務省は、2016年3月に「ヘイトスピーチに関する実態調査報告書」も公表しています。この調査は「ヘイトスピーチ解消法」の成立・施行前のものになりますが、新宿区のヘイトスピーチ・デモについて、被害当事者にあたる6名の在日韓国・朝鮮人の人たちが集まり話し合っています(うち3名は新宿区在住)。

ヘイトスピーチに関する実態調査報告書【PDF】
ヘイトスピーチに関する実態調査・聞き取り調査報告書(全体版)【PDF】
ヘイトスピーチに関する実態調査・聞き取り調査報告書(概要版)【PDF】

『ヘイトスピーチに関する実態調査・聞き取り調査報告書(全体版)』(P4-11)

D さん:例えば朝鮮人帰れとか,これは,多分,先進国ではあり得ないことだと思いますよ。韓国でも,そういうことはないです。韓国でデモがあるときは大使館前。日本人が住んでいる街とかではやってないですね。何でこんなことするか疑問もありますけど。国際化の時代に,自分の国に来ている人を弱い者いじめするなんて。
A さん:差別につながるというか,差別そのもの,人権侵害ですよ。

B さん:会社でも,なんで日本で商売やっているんだとか,みんな帰れとか,そういう電話をもらったことが何回もあります。

F さん:一番最初が2011年1月じゃないかと思います。韓国に行っていた時以外は,ほぼ見たと思います。一番最初が今でも忘れられないんですけど,結構激しいんですね。警察がほとんど保護しなかったんですよ。公園に集まって,職安通りから,いわゆるイケメン通りに入って,そっちで一人を殴って,交番に話しても対応してくれなくて,本当に怖い雰囲気だったんですよ。

E さん:ひどくなったときには,韓国学校まで来るようになって,学生たちもだいぶ怖がってね,お父さん,うちがなんでそんな悪いことをやったか,なんでそんなことをするのか,と言うわけです。

C さん:在日韓国人の方,ここで生まれて,ここで育っている70代,80代に聞くと,昔は人種差別はありましたけど,殺せとか死ねとか,そういう言葉で表すのは初めてだっていうんですよ。帰れというのはあったらしいんだけど。

E さん:本当に2020年のオリンピックをやる国がそういうことをしてて,いいかどうかということも出てくる。

C さん:これは,日本の社会的な問題なんですよ。国が法規制作って,先進国だっていうのを見せるべきです。それを我々は強く望みますよ。本当に。そうしないと,日本の世界からのイメージが,だんだん,だんだん悪くなる。

F さん:今,一番増えているのが中国,ベトナム,ネパール。この地域でも店を閉めた韓国の人が結構いて,一番盛んだったころは500店舗ぐらいあったんですけど,今は150から200ぐらいの店舗は閉めてしまった。ヘイトスピーチデモの影響がかなり大きかったんですよ。

F さん:この地域の韓国人の生活の基盤を脅かすような集会を根本的に規制しなければいけない。そういうことを望みますね。

(2)地域の日本人住民 1 新宿区

⑴ 大久保通りで店舗を経営する60代男性

デモが来たときは店の中からも嫌でも見えるよ。スピーカーでも大きい声を出している。普通に見える女性が子供を連れて,汚い言葉を投げかけていたのは異様でした。どういう言葉か具体的には思い出せないけど,普通の人は言わないような言葉でした。「チャンコロは自分の国に帰れ 何しに来てんだ 」とか。聞いたときは本当に不愉快でした。普通,面と向かっては絶対相手に言わないようなことを,あんなところでマイクを使ってでかい声で言っているのは聞くに堪えなかった。韓国の店の人は,あれだと恐怖を覚えるんじゃないかという気がしましたね。

デモの時間は限られていたので,他の店でも,営業面で深刻な被害はなかったと思う。デモ隊は,観光客に対しても,なんでこんなところで時間を潰しているんだと,汚い言葉を投げかけていたから,観光客に悪い印象を与えたと思う。この街に対する好感度は下がったんじゃないか。

あそこまでひどかったら,デモ自体を止めることができれば一番だとは思いますけどね。(P30)

(2)地域の日本人住民 1 新宿区

⑵ 大久保通りで店舗を経営する60代男性

初めて見た時は,普通のデモ隊とはまったく異なる言葉を言っていたので衝撃だった。何を言っていたかははっきりと覚えていないけど,国に帰れというのは軽い方で,殺せとかかなり刺激的な言葉があったように感じています。アジアの他の国の方がお子さんを連れて店に入ろうとしていた時にデモが来て,怯えているお母さんの顔,子供を守ろうとする姿勢というのを強烈に覚えている。(P31)

 2016年6月に「ヘイトスピーチ解消法」が施行されたのちの現在でも、全国各地でヘイトスピーチ・デモや街頭宣伝が行われています。全国的にみても東京都、なかでも新宿区が最も多い地域と言えるでしょう。

 「ヘイトスピーチ解消法」の施行後も続いているヘイトスピーチ・デモや街頭宣伝は、直視できないほど酷いものになっています。そのごく一部を短い映像にまとめています。新宿区内で行われたものは、「新宿区」編としてまとめました。新宿区以外の関東を中心に行われた、ヘイトスピーチ・デモや街宣をまとめたページもあります。

【閲覧注意】[動画]現在も続く街頭でのヘイト(差別扇動)スピーチ 「新宿区」編

【閲覧注意】[動画]現在も続く街頭でのヘイト(差別扇動)スピーチ、ジェノサイド(大量虐殺)スピーチ

 この中から、日本第一党党首(元「在特会」会長)と同党幹部の堀切笹美による、ヘイトスピーチ・デモの動画を、1つだけピックアップしておきます。短くまとめている他の動画は、この動画より遥かに酷いヘイトスピーチを行っています。

【閲覧注意】

 問題となっている、公園をデモ出発地として利用する事に制限をかけようとしている件については、日本共産党・新宿区議団も、6月20日に記事を掲載しています。

吉住区長がデモ出発地としての公園利用を制限!?

 以前から新宿区内でヘイトスピーチデモが頻発しており、私たち日本共産党区議団は川崎市のガイドラインや大阪市の条例を参考に新宿区として独自の規制を行うことを繰り返し求めてきましたが、区長は一貫して背を向けてきました。今回の答弁は、ヘイトスピーチデモに限らず、すべてのデモを対象に規制することを検討するというものであり、大問題です。

 6月20日、日本共産党区議団と社民党区議団は区長に対し口頭で申し入れを行いました。「デモ・集会を制限する目的での公園使用基準の見直しは、憲法第21条表現の自由の保障に抵触しかねない。今回の基準見直しは行わないこと。周辺住民や商店はヘイトデモに迷惑している。ヘイトスピーチの規制こそ本気で取り組むべき。」と要請しました。

 新宿区の公園を、これまでどおりデモ出発地として利用できるように要請するネット署名も始まっています。6月26日に、第1次分の署名を提出しています。

新宿区の公園をこれまでどおりデモ出発地として使えるようにしてください。

地域の住民が望んでいるのは、差別を煽り、「周辺に恐怖心を与える」ヘイトスピーチの規制であって、憲法で保障された「表現の自由」の抑制ではありません。
この問題は、新宿区民だけの問題ではありません。柏木公園など新宿区内の公園をデモ出発地点として利用してきたすべての人に関わる問題です。

吉住健一・新宿区長は、「デモの出発地として使用できる公園の基準の見直し」によって、憲法21条で保障された「表現の自由」を制約することのないよう、新宿区内の公園を、デモ出発地として、引き続き使えるようにして下さい。

 ロコツに憲法違反 新宿区のデモ規制、8月1日から

 やらせ質問の1週間後(今月20日)に、驚くべき決定がなされた。「デモ出発地としての公園の使用基準」を見直すというのである。条例ではなく部長決裁の内規の見直しだけだ。見直しの内容はこうだ―

 新宿区では「柏木公園」「花園西公園」「新宿中央公園」「西戸山公園」のデモ使用を許可していたが、「新宿中央公園」だけに限って許可する。
 
 憲法21条で保証された「表現の自由」が区役所の部長決裁で制限されることになるのだ。条例ではないので議会で採決する必要はない。

  憲法に抵触する可能性が高い新宿区の公園使用基準の見直しは、27日に議会に報告され、8月1日から「適用」される。条例ではないので「施行」ではない。お手軽で露骨で悪質な規制だ。

新宿区、公園のデモ使用を制限へ 理由は「ヘイト対策」

 東京都新宿区が区立公園の使用に関する基準を見直し、8月からデモの出発地にできる公園を従来の4カ所から1カ所に減らすことが分かった。区は「外国人差別などのヘイトスピーチが相次ぎ、住民の生活環境を守るため」と説明するが、識者からは「憲法が保障する表現の自由を侵しかねない」との指摘があがる。

 現行基準に、「学校・教育施設、商店街に近接しない」という項目を加える。これにより、出発地に使える区立公園は都庁横の新宿中央公園のみとなり、柏木、花園西、西戸山の3公園は使えなくなる。区は27日の区議会で報告する。

 区によると、4公園を出発したデモは昨年度に計77回あり、少なくとも13回で特定の国の人々へのヘイトスピーチとみられる主張を区職員が確認したという。

 デモによる交通規制や音量などへの苦情が住民から相次いでおり、5月には公園を出発地とするデモを制限するよう町会などが区に要望書を出したという。

 吉住健一区長は「商店街や学校に近い場所で人権侵害の発言が横行する状況を放置できない。実効性のある方法として決めた」と説明。「商店街などから離れた公園の使用は認めるのでデモ規制には当たらない」と話す。

 右崎正博・独協大名誉教授(憲法)は「デモで使える公園を減らすことは言論活動の制限につながりかねない。民主主義を支える『表現の自由』に関わる問題であり、区役所内だけで判断できる公園使用基準の変更という簡単な手続きではなく、規制の目的を明示した上で住民の実情や影響を議会で検討し、必要最小限の規制にとどめるよう慎重に判断するべきだ」と指摘。「デモ行進の言論としての性格を考慮せず、騒音など住民への迷惑行為としてのみ対応する姿勢も短絡的ではないか」と疑問視する。

 ヘイトスピーチ・デモや街頭宣伝に限定された対策を行うのではなく、「ヘイト対策」という名目で、ヘイトスピーチ・デモ以外のデモもまとめて規制し、問題の解決を図るのは非常に問題があり、非常に横暴なやり方と言わざるをえません。

 東京都では6月30日まで、オリンピック憲章に基づく条例案についてのパブリックコメントを募集しています。その中では、ヘイトスピーチに焦点をあてた対策も含まれています。大阪市や川崎市、京都府などでは、既にガイドラインや条例が制定されています。まずそのような先行例を参考にするべきでしょう。

 新宿区では、この規制を行ったのちも、駅前や商店街を通るヘイトスピーチ・デモや、新宿駅でのヘイトスピーチ街宣が止まる事はないでしょう。ヘイトスピーチが行われているのも、デモだけではありません。新宿駅東口では、毎月最終木曜日に、ヘイトスピーチ街宣が行われています。議論もせずに行政が一方的に決め、ヘイトスピーチに当たらない表現の自由まで、すべてまとめて規制する事には断固反対します。

 この暴挙への反対行動が呼び掛けられています。

新宿・公園デモ利用制限反対運動へのお願い

緊急行動 新宿・柏木公園デモ利用制限 新宿区議会委員会傍聴

 6月27日(水)の11時から開かれる、環境建設の常任委員会の傍聴が呼び掛けられています。この委員会の中で、区から今回の件の「報告」が行われるようです。

区議会日程

委員会名簿

区議会のインターネット中継について

 インターネット中継はないようですが、当日の環境建設委員会を映像で記録した方が、動画を公開されています。

委員会名簿

全国初、新宿区の一般デモ規制 行政の独断で公園使用禁止

 

依田治郎・公園課長の答えがふるっていた。「ヘイトスピーチよりは、区民の生活環境の確保とデモ活動の場の確保を本当に考えてこうなった」。

今回の「公園使用基準の見直し」はあまりに早手回しだった。
 
 先月25日に町内会から要請が出(出させた?)→ 12日に自民議員がデモ規制を促すかのような質問 → 区長は待っていたかのように「見直しを検討する」と表明 → 20日、公園使用基準の改訂→8月1日、新基準の適用。

憲法21条「表現の自由」に抵触するかもしれない公園使用基準の見直し・・・公務員の一存でこんな大胆な決定ができるだろうか? 森友学園への国有地売却をめぐる文書改ざんのように、背後から大きな力が働いていたのではないだろうか。

 「背後から大きな力が」というのはないと思います。記事は参考になりますが、陰謀論には与しません。

公園のデモ使用制限、ヘイト以外のデモも対象 新宿区

 区によると、基準は6月20日に変更され、学校・教育施設や商店街に近接している公園はデモ出発地に使えないこととした。これにより、8月以降、使用可能な公園は4カ所から新宿中央公園1カ所になる。

 しかし、27日の委員会で、基準変更を決裁した区みどり土木部長らは「変更検討のきっかけはヘイトスピーチ対策もある。それも含めて総合的に判断した」と述べる一方、「ヘイト(デモ)のほかに、非常に大人数でシュプレヒコールをあげるデモもある。こうした状況も勘案した」「(近所の公園に)知らない人がかなり集まるのは、住民にとってかなり嫌な状況だ」などと答弁。ヘイト以外のデモの活動範囲も制限したい考えを示した。

 5月以降、公園周辺の町会などから、デモに伴う交通規制や音量などを理由にデモ規制の要望があったという。区側は「公園の管理者として生活環境の悪化を早く解消したい」と述べた。

新宿区 「デモ全体の制約直結に懸念」 出発地公園限定に

 区内では在日コリアンが多い新大久保周辺で、ヘイトスピーチを伴うデモが起きている。中央公園は新大久保周辺から約1.5キロ離れており、区は抑制と住環境保護に一定の効果があると判断したようだ。

 区は「ヘイト対策は警察から情報をもらい慎重に対応しているが、ヘイトの可能性がある団体だからといって、申請時点で思想により使用許可しないのはできない状況だ」と、対応の難しさを強調した。

 専門家や被害当事者による第3者機関を設置し、不許可の場合にも反論可能な仕組みであれば、難しくないと考えます。

新宿区 デモ規制強化 「騒音」理由 出発公園4→1に

雨宮武彦区議(共産)は「八月から実施ではなく、きちっと議会に諮って検証するべきだ。規制が先にありきではないか」と区の拙速な対応を批判。区みどり土木部の田中孝光部長は答弁で「私自身、住んでいる家の近くの公園に警察がしょっちゅう来て、デモがあるのは嫌だ」と述べた。

 住宅街が広がる世田谷区は、四百二十カ所の区立公園でのデモを禁止する基準はない。開催のたびに、内容を判断し許可している。国会を抱える千代田区は、滞在時間は十五分、拡声器は使用しないなどのルールを守れば、区立公園をデモの出発地にすることを認めている。若者の多い渋谷区は、唯一、デモの出発地に使えた宮下公園が工事で閉鎖されている。

 区みどり土木部の田中孝光部長の「私自身、住んでいる家の近くの公園に警察がしょっちゅう来て、デモがあるのは嫌だ」との発言は問題でしょう。

 表向きは騒音対策としていますが、実際にはヘイトスピーチ・デモへの対策である事は明らかです。ヘイトスピーチ・デモこそ、騒音の最大要因になっているため、ヘイトスピーチ・デモに限定して公園の利用を制限すれば、住民の人々の要望である騒音や交通の問題は、ほぼ解決されるでしょう。ヘイトスピーチ・デモに対し、ガイドラインや条例を制定して対処する事で、表現の自由も守られます。デモ集合場所としての公園利用そのものを制限する事は、憲法が保障する表現の自由の侵害であり、ヘイトスピーチ対策と言えるものではありません。デモ出発地として利用制限しても、ヘイトスピーチ・デモの終着地として利用する事は可能です。求められているのは、差別やヘイトスピーチへの対策で、すべてのデモを対象にデモの出発地を制限する事ではありません。

 6月8日に東京弁護士会から、人種差別撤廃モデル条例案が公表されています。とても優れた条例案になっており、差別を含むヘイトスピーチ対策は、このような条例案を参考にして行われるべきです。まともな議論もなく一方的に行政判断で、デモ全体を対象にした横暴な規制に断固反対します。

 伊藤洋平区議が、2015年4月に新宿区議員に当選して以降、ヘイトスピーチ問題にどれだけ関わってこられたのかを調べてみましたが、議会でヘイトスピーチ問題について質問された事はないようです。ツイッターやサイトでも、今回の記事より以前の言及はみられませんでした。(サイトでは五木寛之氏の本のレビュー記事からの引用に出てきますが、ヘイトスピーチ・デモ等を取り上げたものではありません)。

 年間を通し、都内(全国)でもヘイトスピーチ・デモと街頭宣伝が突出して多い新宿区で、すなわち日本で最もヘイトスピーチ・デモや街頭宣伝が多い自治体と言えるであろう状態にも関わらず、その区の議員として、ほぼ無関心のようにみえてしまうのは気のせいでしょうか。

 2016年6月に「ヘイトスピーチ解消法」が施行されました。この「ヘイトスピーチ解消法」を解説している、手軽で読みやすい本が出版されています。伊藤陽平区議をはじめ、ぜひ全国の議員の方に読んでいただきたい1冊です。

『Q&Aヘイトスピーチ解消法』 師岡康子[監]/外国人人権法連絡会[編著] 現代人文社

 このほかに、ヘイトスピーチに関連する本を『books』として紹介しています。

Books

 おすすめは、下の5冊です。

  • 『ヘイト・スピーチとは何か』 師岡康子[著] 岩波新書(岩波書店)
  • 『ヘイトデモをとめた街』 神奈川新聞「時代の正体」取材班[編] 現代思潮新社
  • 『ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて』 安田浩一[著] 講談社
  • 『ルポ 京都朝鮮学校襲撃事件 ―〈ヘイトクライム〉に抗して―』 中村一成[著] 岩波書店
  •  下のページでは、日本政府に対する国連の各人権条約体(人権委員会)からの勧告なども紹介しています。

    条約・勧告/法律/条例/裁判

     現在、東京都では、6月30日まで、オリンピック憲章に基づく条例案のパブリックコメントの募集が行われています。

    東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例(仮称)の概要の公表及び意見募集について

    東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例(仮称)のポイントについて

     一部を抜粋します。

    (2)都が保有する公の施設の利用制限

    公の施設において不当な差別的言動が行われることを防止するための基準(※)を策定
    ※以下2つの両方を満たすことを要件

    ①不当な差別的言動が行われる蓋然性が高いこと

    ②不当な差別的言動が行われることで、公の施設の安全を確保できない危険性が高いことが客観的かつ明白に明らかであること

     不十分な点は多いのですが、1番問題となる点は「以下2つの両方を満たすことを要件」とし、「不当な差別的言動が行われる蓋然性が高いこと」「不当な差別的言動が行われることで、公の施設の安全を確保できない危険性が高いことが客観的かつ明白に明らかであること」 、この2つを満たさないと施設の利用制限を行わないという点です。

     これでは絵に描いた餅となり、実際に施設の利用制限が行われる事はないでしょう。2の「不当な差別的言動が行われることで、公の施設の安全を確保できない危険性が高いことが客観的かつ明白に明らかであること」を外さなければ、公の施設の利用制限が実際に行われる可能性はゼロになります。最低でも、京都府の「京都府公の施設等におけるヘイトスピーチ防止のための使用手続に関するガイドライン」のように、「いずれかに該当する場合」としなければ、この項目を入れた条例を作成する意味はありません。

    「京都府公の施設等におけるヘイトスピーチ防止のための使用手続に関するガイドライン」(PDF:322KB)

    (2) 使用制限の要件

    (1)の使用制限の考え方に鑑み、次のア又はイのいずれかに該当する場合

    ア 「不当な差別的言動」が行われることが、客観的な事実に照らし、具体的に明らかに予測される場合

    イ 「不当な差別的言動」が行われる蓋然性が高いことによる紛争のおそれがあり、施設の管理上支障が生じるとの事態が、客観的な事実に照らし、具体的に明らかに予測され、警察の警備等によってもなお混乱を防止できないことが見込まれるなど特別な事情がある場合

     2018年6月に、条例案として大変すぐれたモデル案が、東京弁護士会から意見書とともに公表されています。このモデル条例案に沿った条例の制定を強く望みます。

    地方公共団体に人種差別撤廃条例の制定を求め、人種差別撤廃モデル条例案を提案することに関する意見書(東京弁護士会)

    【参考】

    新宿区議会:日程 6月

     新宿区議会が12日と13日に開催した本会議で、自由民主党の下村治生区議と公明党の井下田栄一区議が区長に対して、公園利用に関する質問をしています。

    【新宿区議会】

    [6月12日 本会議]

    ◆下村治生区議(自由民主党・無所属クラブ)

    ・議会映像
    http://smart.discussvision.net/smart/tenant/shinjuku/WebView/rd/speech.html?council_id=29&schedule_id=1&playlist_id=5&speaker_id=25&target_year=2018

    1 吉住区政のこの4年間と今後の区政運営について

    「次に公園の利活用について質問いたします。近年、公園を利用して様々なイベントが行われ、特に盆踊り大会や餅つきのような恒例の地域イベントは、良好なコミュニティの育成に資するばかりでなく、周辺企業との交流を深め、地域活性化にとても役立っています。
    この反面、公園という場所を借りて行っているだけで、街の賑わいや地域の交流とは直接結びつかない公園の利用もあります。このような例の1つとして、デモの集合場所としての公園の利用が挙げられます。この場合、デモの行進による騒音や周辺の交通混雑などで、近隣の住民や商店などから苦情が寄せられるケースもあると思います。」

    「そこで区長に3点、伺います。」

    「質問の第1は、公園を出発地とするデモについては、どのような基準、考えで使用許可を行っているのでしょうか。お聞かせください。」

    「質問の第2点は、公園がデモの集合場所として使われると、近隣の住民を中心に利用者が公園を使えなくなると共に、騒音等で迷惑します。公園でデモが行われる事に対する地元の反応はいかがでしょうか。いつでも誰でもが自由に集い遊び憩えるのが、公園本来の姿だと思います。」

    「質問の第3点は、デモの集合場所のような独占的で、時には周囲に恐怖心を与える状態になる行為をする事について、今後規制していくお考えはないのでしょうか。」

    ◆吉住健一区長

    「次に公園の利活用についてのお尋ねです。」

    「はじめに、公園を出発地とするデモの使用許可に関する基準、考え方についてです。ご指摘のとおり公園は、いつでも誰でも自由に利用できる憩いや交流の場である事が本来の姿です。このため、本来の使用目的ではないデモの出発地としての使用については、一定の基準を設け許可しています。現在、デモの出発地としての使用できる公園は、面積が1000平米以上で、園内に100平米以上の広場があるなどの基準を設け、柏木公園、花園西公園、西戸山公園、及び新宿中央公園の4公園を指定しています。また許可にあたっては、公園の立地や広場面積に応じて、収容可能な人数の範囲内とすると共に、一般の公園利用者に配慮して、使用時間は原則30分を限度としています。」

    「次に、公園でデモが行われる事に対する地元の反応についてです。使用される公園周辺の町会や商店会からは、車両や歩行者の往来の制約や拡声器等による騒音などで迷惑しているため、デモの利用を制限してほしいとの要望を受けており、地域の様々な方からも同様な声が寄せられています。」

    「次に、今後デモ集合場所のような周辺環境に影響がある利用を制限していく考えについてです。ご指摘のとおり、公園は地域の良好なコミュニティの育成や活性化を進める上で、非常に重要な施設であり、その役割はますます高まってきています。今後、それぞれの公園が置かれた周辺環境や地域からの声も踏まえ、デモの出発地として使用できる公園の基準の見直しを検討してまいります。」

    [6月13日 本会議]

    ◆井下田栄一区議(新宿区議会公明党)

    ・議会映像
    http://smart.discussvision.net/smart/tenant/shinjuku/WebView/rd/speech.html?council_id=29&schedule_id=2&playlist_id=2&speaker_id=4&target_year=2018

    8 魅力を高める公園づくりについて

    「4点目は、デモ出発地として公園使用の見直しについてです。近年、新宿区において公園を出発地とするデモの数が増えているのではないか、という声を聞きます。公園は子どもから高齢の方まで多くの方が利用されており、公園利用者の安全と安心の確保は最重要であると考えます。区内における公園を出発地とするデモの数は、ここ数年でどのように推移しているのか伺います。また公園がデモの集合場所として使用されると、騒音などにより近隣住民の日常生活に影響します。我が会派にも一定のルールを定めてほしいという声が寄せられていますが、区のお考えを伺います。」

    ◆吉住健一区長

    「次にデモ出発地としての公園使用の見直しについてです。公園を出発するデモは、ここ数年、年間60件前後で推移してきましたが、昨年度は77件と3割ほど件数が増加し、今年度も昨年度並みの状況となっています。公園は住民の休息や運動の場として、また地域の良好なコミュニティの育成や活性化を図る上で非常に重要な施設であり、その役割はますます高まっています。こうした状況のなか、デモの出発地として使用される公園周辺の町会や商店会からは、騒音など周辺環境に影響のあるデモの利用を制限してほしいとの要望を受けています。そのため今後、それぞれの公園が置かれた周辺環境や地域からの声も踏まえ、デモの出発地として使用できる公園の基準の見直しを検討して参ります。」

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