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【記録】2018年6月10日、中国人排斥(ヘイトスピーチ)デモ@池袋 19歳の主催(九十九晃)が暴行容疑で現行犯逮捕

投稿日:2018年6月15日 更新日:

概要と問題点

 2018年6月10日(日)に池袋で行われた、中国人を対象に差別と排斥を扇動する、非常に悪質なヘイトスピーチ(差別扇動)・デモの記録になります。主要な排斥対象は中国人ですが、デモの中では在日コリアンや外国人全般へのヘイトスピーチを行っています。

 「池袋奪還」と題する中国人を排斥するヘイトスピーチ・デモを池袋で行った理由は、池袋に有数のチャイナタウンがあるからとしています。これは新大久保や鶴橋で「嫌韓」デモが行われた事例と同じく大変悪質なものです。

 デモの告知文だけでなく、当日のアナウンスとコール、横断幕や旗、参加者のプラカードや発言、そのどれもが酷いヘイトスピーチでした(動画等で確認しています)。

 この日、ヘイトデモ主催者である九十九晃(偽名/19歳)によるヘイトデモ反対者への暴行事件も起きました。九十九晃によるヘイトデモ反対者への危険な突進行為は、以前より頻繁に確認されており、今に始まった事ではありません。そして、ヘイトデモの参加者・賛同者による暴行や傷害事件は、通常の暴行や傷害事件と異なり、被害対象者が例え日本人であっても、差別的動機に基づく犯罪、すなわちヘイト・クライムである可能性が非常に高いため、動機や背景などの徹底した解明が望まれます。未成年が、ヘイトデモ(それも極めて悪質な)の主催をしている事に、行政や議会はもっと危機感を持つべきでしょう。

 昨年末から今年に掛けて、ヘイトデモ反対者への右翼団体構成員らによる脅迫も毎回のようにあり、暴行・傷害事件も続いています。そして2月には、テロ、ヘイト・クライムである朝鮮総連銃撃事件も起きました。暴行容疑で現行犯逮捕された、このヘイトデモの主催者(九十九晃)は、朝鮮総連銃撃事件を「義挙」と呼び称賛していました。アメリカなどでは、ヘイト・クライムは通常の犯罪より重い量刑となっています。日本でも同様に量刑を重くする等の法改正を早急に検討するべきでしょう。

 東京都では現在、オリンピック憲章に基づく条例の制定を検討し、6月30日までパブリックコメントを募集しています。現状に基づいた実効性のある条例の制定が望まれると共に、各市区町村でも早期に同様の条例制定が必要です。具体的な条例案は、先日、東京弁護士会が公表したモデル条例案が大変参考になります。

東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例(仮称)の概要の公表及び意見募集について

東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例(仮称)のポイントについて

地方公共団体に人種差別撤廃条例の制定を求め、人種差別撤廃モデル条例案を提案することに関する意見書(東京弁護士会)

ヘイトデモ主催者が暴行容疑で現行犯逮捕

 この中国人排斥を目的としたヘイトスピーチ・デモで、デモの代表世話人の九十九晃(19歳)が、ヘイトデモに反対する人への暴行容疑で現行犯逮捕されています。

排斥デモ抗議者に暴行=容疑で男子大生逮捕-警視庁:時事ドットコム

右派系団体の大学生逮捕 ヘイト抗議の男性に暴行した疑い

 九十九晃のプロフィール:http://twpf.jp/ttizumo 日本第一党青年部/民族自警団日本暁乃会・関東本部長/国士館大学公認クラブ皇国史観研究会敷島倶楽部・広報兼渉外担当(所属大学は放送大学)

 6月10日に現行犯逮捕された九十九晃が、11日の長い勾留ののち、6月21日に保釈されました。

 そして、ブログに今回の暴行事件について書いています。

池袋奪還国民大行進のご報告!しばき隊の妨害を跳ね除けろ!

支那人はずる賢く、凶暴で、凶悪である。これは何も妄想でもないし、妄言でない。事実にほかならない。

 冒頭の一文から、中国人に対して、とても酷いヘイトスピーチを書いています。非常に悪質なヘイトスピーチ・デモを行った事への反省は皆無です。

本件について主催者として逮捕される行動を行った事については反省しております。

然し、しばき隊をしばいた事に対して一切の後悔はありません。

又ニュース等では私が参加者であると報道されてましたが、私は参加者ではなく主催者です。後、容疑を一部否認した事になっておりますが、私は公安条例に基づき集団示威行動の主催者として名前を連ねておりました。それに対して、妨害を予告し、私達に対して牙を剥く者がいたので、警察に代わり実力行使で排除したまでの話です。勢い余って突き飛ばして何が悪いのでしょう。

これは供述調書や、検察調べ、家裁の調査官、裁判官に対して一貫、同じことを訴えさせていただきました。

 同様に、現行犯逮捕された暴行事件への反省も皆無です。 

 そしてこのブログの内容は投稿後に修正されていて、修正前には本音が書かれていました。下の画像は、投稿が修正される前のスクリーンショットです。

 

本当は首根っこを掴んで、車道に引き摺り出すつもりでした。

 投稿後に、上の一文を外し内容を修正しています。

 九十九晃は、6月27日のツイキャスライブ(ネット生放送)で、以前にブログでも書いていた「排害主義」の正しさを力説しています。

 とても酷いヘイトスピーチですが、書き起こして引用します。

・九十九晃 ツイキャスライブ 2018年6月27日 06:55~
https://twitcasting.tv/ttizumo/movie/470462788

凶暴で凶悪でずる賢いシナ人というのをね。
我が国日本を、日本人の制度を脅かす、外来生物の駆除・排除については、これからもしっかりと取り組んでいこうかなと思っております。

いや、言うんですよ、なんか。シナ人いうな。凶暴じゃないと。中国人だって良い中国人、いるじゃないかって。

そりゃあね、個人単位でみりゃ、1人や2人、良い人はいるかもしれないですよ。
10人、シナ人がいたら、6人危なくて、4人、良い人かもしれないし。
だからなんだって問題でして。

そしてその池袋でも、その不良シナ人が多い溜まり場があると。チャイナタウンになっている。その池袋を日本人の手に取り戻すべきである。

 このように全く反省のない本人も問題ですが、周りの大人たちにも問題があります。

私が逮捕された時、弁護士を通じて真っ先に私を引き受けてくれると言ってくれた鈴木代表。

 ここに書かれている「鈴木代表」とは、葛飾区議で日本国民党代表の鈴木信行の事です。九十九晃は、鈴木信行が葛飾区議選に立候補した際に、選挙スタッフをしていました。鈴木信行は葛飾区議として、このヘイトスピーチ・デモについて、どう考えているのかを明らかにする責任があります。そして、九十九晃氏が起こした暴行事件と反省皆無の態度についても、区議としての自らの考えを述べる責任があります。

 ヘイトスピーチ・デモと暴力は、ほぼ常にと言っていいほど隣り合わせにあります。昨年11月19日に新宿で、日本第一党の桜井誠が企画したヘイトスピーチ・デモの終着地点の公園近くで、のちに朝鮮総連銃撃事件を起こした桂田智司を中心とする右翼団体がカウンターに襲い掛かり、体当たりされ転倒し怪我をしています。これ以降、ヘイトスピーチ・デモが行われている横の歩道上で、毎回のように右翼団体が襲い掛かってきています。この間、ヘイトスピーチ・デモの参加者や右翼団体から暴行された人は多数に上っていますが、残念ながらその多くが事件化されていません。

他のヘイトデモでの右翼団体構成員による傷害・暴行事件

【傷害事件】2017年11月19日 新宿ヘイトデモ 桜井誠(日本第一党党首)企画 行動する保守運動(日本第一党)

右派系デモ抗議の会社員に暴行 傷害容疑で右翼団体メンバー逮捕 警視庁

【暴行事件】2018年5月27日 銀座ヘイトデモ 桜井誠(日本第一党党首)企画 行動する保守運動(日本第一党)

反北朝鮮デモ抗議者に暴行=容疑で右翼構成員逮捕-警視庁

右翼団体の男“反北デモ抗議”男性に暴行か

記録対象

◆◇◆◇◆閲覧注意◆◇◆◇◆

悪質な中国人の国民健康保険利用を糺せ!池袋奪還国民大行進

・日時:2018年6月10日(日) 15時集合/15時30分出発
・出発場所:日出町第二公園(東池袋4-4) ・解散場所:左に同じ
・主催:行動する保守運動(実質は日本第一党。代表:桜井誠)/代表世話人:九十九晃/現場責任者:堀切笹美

 ヘイトスピーチ・デモは、日出町第二公園(東池袋4-4)を出発して、池袋駅東口の周辺を1周し、また日出町第二公園に戻ってくるというものでした。

参考

【閲覧注意】台風接近で雨が強いのに強行→世話人御用!?池袋一周ヘイトデモ #0610池袋ヘイトデモを許すな

6.10 ヘイトデモ監視アクション in 池袋

 ※2012年9月29日に、池袋で「在特会」が行ったヘイトスピーチ・デモの後には、「パトロール」と称し、東口の中池袋公園から西口(北口)の中国食材専門店「陽光城」まで、ヘイトスピーチをしながら練り歩き、店の前でヘイト街宣を行っています。

排外主義で徘徊し民族浄化で街の清掃! ‐また逮捕者を出したかもしれない在特会 PRESENTS 史上最大(笑)の反中デモ in 池袋

 今回のヘイトデモの主催は「行動する保守運動」ですが、実質は「日本第一党」の主催です。日本第一党の主要メンバーが主催となり、党首(桜井誠)も告知、日本第一党のツイッター公式アカウントでも告知や逮捕後の応援をしています。

 代表世話人は19歳の九十九晃(日本第一党/(元)日本国民党)、現場責任者に堀切笹美(日本第一党)で、九十九晃は、テロでありヘイト・クライムである朝鮮総連への銃撃事件を「義挙」と呼び称賛しています。

朝鮮総連本部に発砲=右翼活動家ら2人逮捕-警視庁

 そしてこのヘイトスピーチ・デモの告知文には、「某週刊誌」とぼかして書かれていますが、『週刊現代』が特集を組み連載した記事を取り上げていました。その記事は中国人を対象にしたもので、差別や偏見を扇動するような記事の書き方をしています。『週刊現代』が書いた、中国人への差別と偏見を扇動する記事は、今回のヘイトスピーチ・デモ行うきっかけの1つとなっており、『週刊現代』及び講談社の責任も厳しく問われなければなりません。

デモにおけるヘイトスピーチ(差別扇動表現)

このようなヘイトスピーチ・デモや街頭宣伝を行う極右団体の活動参加者は、「差別ではない」として、「中国」「中国人」を「シナ」「シナ人」という蔑称で呼びます。今回のデモでも「シナ人」という蔑称が拡声器を通して、チャイナタウンがある池袋の街頭で、繰り返し連呼されました。大阪府警は、沖縄で「シナ人」「土人」発言をした警官2人を懲戒処分にしています。

沖縄「土人」暴言 29歳巡査部長と26歳巡査長を戒告

「支那」という呼称

外務省 外交史料 Q&A その他 「戦前に、中国の呼称を「支那」から「中華民国」に変更した経緯を示す記録はありますか。」

「ヘイトスピーチ解消法」施行以後(2016年6月3日~)に行われた、デモや街頭宣伝でのヘイトスピーチを抜粋し、短い動画にまとめたものを、下のリンク先ページで掲載しています。

【閲覧注意】[動画]現在も続く街頭でのヘイト(差別扇動)スピーチ、ジェノサイド(大量虐殺)スピーチ

プラカード


「日本乗取り/工作員/朝鮮人」(プラカード)

 「排害」と書かれた旗は、既に解散している「排害社」(2010~2012年)の旗(ロゴ)を元に作成されています。「排害社」は、極右団体の中でも非常に暴力的で過激な活動をしていました。

 この「排害」旗の掲示は、外国人の排斥・「排撃」を意味しています。

排害社解散宣言 2012年6月25日

弊社が結成以来かかげてきた十大目標を、いまここに再掲する。

一★敵性民族たる支那人朝鮮人の排撃。

 暴行事件を起こし現行犯逮捕された九十九晃は、この「排害社」の影響を、とても強く受けています。九十九晃が2017年11月30日に書いたブログで、「排害社」の「排害主義」について書いています。

『国家防衛のススメ!排“害”主義を以って外来生物を排撃しよう!』

《排“害”主義》の何がいけないのかと。

「外来生物を駆除」するのは差別でヘイトスピーチなのか?

私は観光で来る、外国人のお客さんは歓迎だ。日本文化を堪能していってくれ。
だが、害国人は全力で排撃する。排除する。当たり前ではないか!

繰り返す!日本人の生活を脅かす不逞外国人を排撃せよ!

排害社よりも「排害」対象を広げています。鈴木信行が葛飾区議選に出た際に選挙を手伝う中で、「排害社」の代表だった金友孝幸(日本国民党)とも交流し、影響を受けたのだろうと思われます。「排害社」解散後に、「排害者」Tシャツやパーカーを製作して頒布している江川麻莉(まりちあま。常時、右翼団体と活動。)とも親しいため、その影響も大きいでしょう。

横断幕

「悪質な中国人」とし、チャイナタウンがある池袋で、「池袋奪還」という横断幕を掲示したデモが、中国人排斥(ヘイトスピーチ)デモである事は言うまでもありません。

デモ前(拡声器)

「不良シナ人を叩き出せー」(九十九晃)

「日本人はシナと戦うぞー」(同上)

「不良外国人はいらないんだよ」(堀切笹美)

「このゴミは共産党朝鮮人です」(ダニエル)

アナウンス&コール

「日本に来日し梅毒を撒き散らし、国民健康保険を悪用し、暴力で街を闊歩する、百害あって一利なし、まだ増え続ける中国人の危機に備えなければいけません。今こそチャイナタウン池袋を日本人の手に取り戻しましょう。」

「チャイナタウン池袋を奪還するぞー」

「不逞鮮人を叩き出せー」

「不良シナ人を叩き出せー」

「日本人は不逞鮮人と不逞シナ人とたたかうぞー」

「不良外国人を叩き出せー」

「不逞外国人を叩き出せー」

「政府は増え続ける中国人を取り締まれー」

「凶悪な中国人を絶対に許さないぞー」

「言論弾圧をするシナ人を叩き出せー」「叩き出せー」「叩き出せー」「叩き出せー」

デモ参加者(拡声器)

「こいつら日本人じゃないよ、道路で邪魔してる連中は。在日の朝鮮・韓国人…。」

デモ参加者(肉声)

「帰れ、帰れ。反日朝鮮人は、とっとと帰れー」

「朝鮮人帰れ」

「道路邪魔してるのは日本人じゃないよ」

「歩道にいる朝鮮人は帰れー」

デモ後(肉声)

「そこの朝鮮人、2人。…んじゃねえよ。自分の国に帰ってやれ、このやろう。日本でやってんじゃねえぞ、ばかやろう。」

「…民族、帰れー」

東京都によるオリンピック憲章に基づく条例案に関するパブリックコメントの募集(6月30日まで)

 ヘイトスピーチ解消法には、「当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする」とあるように、地方自治体はヘイトスピーチ・デモや街宣を無責任に放置せず、早急にガイドラインや条例を整備して対応しなければなりません。ガイドラインだけでなく、条例の作成も必要不可欠です。

 2017年11月に行われた国連人権委員会による普遍的・定期的審査(UPR)では、各国から日本に対してヘイトスピーチに対処を求める勧告が多く、包括的な差別禁止法や国内人権機関の設立が求められています。

「危うい日本の人権状況 国連人権理が200超の勧告」東京新聞

 東京都は、オリンピック憲章の理念に沿う、あらゆる差別の解消を目的とした条例の制定を予定しています。現在も続く、ヘイトスピーチを止めるには、実効性のある条例を策定する必要があります。現在、条例案についてのパブリック・コメントを募集しています(6月30日まで)。

  • 東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例(仮称)の概要の公表及び意見募集について
  • 東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例(仮称)のポイントについて
  • 東京弁護士会による人種差別撤廃モデル条例案と意見書など

    【参考】

  • 地方公共団体に人種差別撤廃条例の制定を求め、人種差別撤廃モデル条例案を提案することに関する意見書(東京弁護士会)
  • 法務省 「ヘイトスピーチに焦点を当てた啓発活動」
  • 「京都府公の施設等におけるヘイトスピーチ防止のための使用手続に関するガイドライン」
  • (PDF)

  • 川崎市「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律に基づく「公の施設」利用許可に関するガイドライン」
  • 「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」について
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